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先生のお話
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タイトル 『ガーデニング』京都府立大学人間環境学部教授 下村孝 先生

 私たちの生活の場である日本の自然環境あるいは建物の外観や町並みの構造という住環境にふさわしい花と緑の利用の仕方を感性や技術の面から考えていこうとしています。小さいときに植物が大事だということをわかれば環境破壊はしないでしょう。草花と野菜を育てる楽しみを大切に考えます。

 私たちがどんなふうに植物を育てているのかを調べてみます。

  1.  室内での植物利用
  2.  京町家の前栽と坪庭(エクステリア)
  3.  民家のベランダや屋上
  4.  街路樹の植え桝周辺


1. 室内での植物利用

 
順位
好きな植物
回答数(パーセント)
1
ポトス
71(17.5)
2
ベンジャミン
57(14.0)
3
パキラ
29(7.1)
4
サボテン
22(5.4)
5
幸福の木
12(3.0)

有効回答数405内上位5位まで

好きな理由の大勢は育てやすい。管理の難しい植物は敬遠される。


 
順位
植物をおく理由
回答数(パーセント)
1
部屋のインテリア
315(69)
2
心が安まる・落ち着く
281(61)
3
自分自身植物が好き
242(53)
4
空気をきれいにする
127(28)

n=457
重複あり

 約60%の人が植物を置きたい場所に置いています。置きたい場所に置けない理由としては、物理的なスペースがないことや窓がないために光をとることができないことがあげられます。

 

2. 京町家と前栽と坪庭

 京都の町家は商売のための店とすまい、そのため間口が狭く奥行きが長くなっています。夏が暑く、日当たりが悪い家のつくりを前栽と坪庭により、うまく解消しています。

 
前 栽 坪 庭

    住まいと自然とのつながり、暮らしの中の四季の変化を感じることが出来ます。さらに、生活に潤いをもたらし、快適性が向上します。
前栽に接している部屋での夏の過ごし方 n=202
自然の風 55%
冷房 34%
 坪庭においても同じような結果になっています。

 前栽や坪庭で栽培されている植物は、わが国自生種が多く、最も多い植物がナンテンでした。

 

3. 民家のベランダや屋上

 ベランダや屋上での栽培での主な問題点としては、次のようなものがありました。
  1.排水溝に土などがつまる 2.洗濯物が干しにくい 3.足場がよごれる。
屋上での栽培では、落ち葉も大きな問題でした。

 
景観への配慮
考える
14%
少し考える
41%
どちらとも言えない
3%
気にしない
31%

n=126

 

4. 街路樹の植桝周辺

 
栽培されている植物
パーセント
栽培されている植物 パーセント
草花
49
中木 5
低木
23
グランドカバー 3
観葉植物
12
野菜 1
ツル
5
その他 1

 
枯れている植物の有無
パーセント
ほぼなし
57.5
少し目立つ
24.7
かなり多い
15.6
判別不可
1

 
栽培者
パーセント
栽培者 パーセント
自営業者・家族従業員
54
複合 2
専業主婦・無職
25
その他 2
嘱託・パート・アルバイト
5
無回答 7
会社員・公務員
5
   

 殺風景な街路空間に問題を感じて、栽培をはじめた人が多かった。しかし約20%の人は公共の場所のために後ろめたさを感じています。一方、近隣住民は、野菜以外の植物を育てることについては、肯定的です。


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